紫陽花

雨が洗い流してくれると思ってた哀しみの種

乾きを知らぬ空と頬を伝う雫が種を育てる

 

風が運ぶ香りは蕾がひらいたことを知らせてる

 

一粒の種から今はもう花が咲き

摘み取るには大きくなり過ぎた

雨粒滴る紫陽花はどことなく哀しげに揺れた

 

降り注ぐ雨粒が涙を隠してくれると思っていた

哀しみで穴が開いた心満たしてくれると思っていたのに

 

花が咲いた 心に深く根を張り 種を増やしてく

 

一粒の涙が育てた花はもう

数え切れないほどに増え過ぎた

枯れる気配の無い紫陽花

哀しみは終わらない

 

ずぶ濡れの髪に風が吹くけれど

髪はなびくわけでもなく

うなだれたまま動かない

 

一粒の涙が育てた花はもう

数え切れないほどに増え過ぎた

雨粒滴る紫陽花はどことなく哀しげに揺れた